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退職を申し出てから何日で辞められる?数え方を条文で確認

「今日申し出たら、いつ辞められるのか」。退職を考えるとき、いちばん知りたいのは制度の解説ではなく、カレンダーのどこに印がつくかだと思います。ところが検索して出てくるのは「2週間です」の一行ばかりで、その2週間をどこから数えるのかは書かれていません。

この記事では、条文の数え方をそのまま追って、日付の出し方を示します。 数え方がわかれば、自分のカレンダーに印をつけられます。

この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。実際の起算日の扱いは、申し出た時刻や会社との取り決め、就業規則の定めによって変わることがあります。個別の判断は弁護士や社会保険労務士など専門家にご確認ください。

出発点は民法627条1項

期間の定めのない雇用(正社員など)については、民法627条1項がこう定めています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

「解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」。ここが全部の起点です。2週間=14日。では、その14日はどこから数えるのでしょうか。

数え方は140条と141条

期間の計算方法は、民法の総則に置かれています。

第百四十条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

第百四十一条(期間の満了) 前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。

140条が言っているのは、申し出た日そのものは数に入れない(初日不算入)ということです。そして141条により、期間は末日が終わったところで満了します。

具体的に置いてみます。

日付 説明
申し出た日 9月4日 この日は数えない(140条)
1日目 9月5日 翌日から数え始める
14日目 9月18日 末日
満了 9月18日の終了 141条

この数え方で日付を自動的に出すのが 退職日の逆算カレンダー です。申し出る日を入れるだけで、14日目がカレンダー上のどこかを表示します。

意思表示が「届いた日」が起点になる

もうひとつ落としやすいのが、「申し出た日」とはいつかという点です。民法97条1項はこう定めています。

意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

到達した時から効力が生じるため、たとえば郵送で送った場合、投函した日ではなく届いた日が問題になります。日付を確実にしたい場合は、届いたことが後から確認できる形にしておくのが安全です。

なお97条2項には、相手方が正当な理由なく到達を妨げた場合の定めも置かれています。

土日・祝日は数に入るのか

「14日」は暦の日数です。土日祝も数に入ります。 「営業日で14日」ではありません。

ただし、実務上は次の点で日付が動くことがあります。

  • 就業規則の予告期間が別に定められている場合。 「1か月前まで」といった条項があると、2週間で数えた日付とずれます。この論点は 就業規則に「1か月前」とある時 で扱っています。
  • 有給消化をどこに入れるか。 退職日は同じでも、最終出社日は有給の残日数だけ前倒しになります。
  • 給与の締め日・月末に合わせる合意。 会社と話し合って、区切りのよい日に退職日を置くことはよくあります。

有給を入れると「最終出社日」が別に立つ

多くの人が本当に知りたいのは、退職日よりも「いつまで会社に行けばいいか」のほうです。この日は、退職日から有給の残日数をさかのぼった位置に立ちます。

意味
退職日 雇用契約が終わる日
最終出社日 実際に出社する最後の日
有給消化期間 最終出社日の翌日から退職日まで

退職日の逆算カレンダー では、有給の残り日数を入れると最終出社日の目安も表示します(土日を休みとして平日をさかのぼる概算で、祝日・所定休日・シフト・半日取得は反映していません)。

なお、有給の取得については労働基準法39条5項に次の定めがあります。

使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

「ただし」以下があるため、希望どおりに全部並べられるとは限りません。 退職時の消化と交渉の関係は 退職代行で有給消化はできる? にまとめています。

契約社員など期間の定めがある場合

627条1項は「当事者が雇用の期間を定めなかったとき」の条文です。期間の定めがある雇用には、別の条文が関わります。

第六百二十八条(やむを得ない事由による雇用の解除) 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

「2週間」という数え方がそのままあてはまるわけではないため、契約社員・派遣・有期のパートの方は、まず雇用契約書の期間を確認してください。契約社員は退職代行を使える?派遣社員の場合 もあわせてどうぞ。

逆算の手順

  1. 申し出る日(または辞めたい日)を決める。
  2. 退職日の逆算カレンダー で2つの日付を出す。 民法627条の2週間と、就業規則の予告日数の両方。
  3. 有給の残日数を入れて、最終出社日の目安を見る。
  4. 転職先の入社日があれば、そこから逆算し直す。 締切が2つある場合は入社日側を先に固定します。
  5. 交渉が要りそうなら、交渉できる運営元を選ぶ。 退職日の調整は、民間企業タイプでは扱えません(運営元タイプの違い)。

まとめ

  • 期間の定めのない雇用は、民法627条1項により申入れの日から2週間の経過で終了
  • 数え方は140条(初日不算入)141条(末日の終了で満了)。土日祝も暦どおり数える
  • 起点は意思表示が到達した日(97条1項)。郵送なら投函日ではなく到達日
  • 有給を入れると、退職日と最終出社日は別々に立つ
  • 期間の定めがある雇用には627条1項が直接あてはまらない(628条の枠組み)

「いつ辞められるか」は、条文の数え方に自分の日付を入れれば出ます。まずはカレンダーに2つの印をつけるところからです。

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