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退職後6か月放置すると企業型DCはどこへ行くのか|確定拠出年金法83条

退職の手続きのなかで、いちばん後回しにされやすいのが企業型確定拠出年金(企業型DC)だと思います。毎月の掛金は会社が出していて、給与明細にも大きくは出てこない。だから「自分の資産がそこにある」という実感が薄いまま辞めてしまいます。

この制度には、放置すると自動的に動くという珍しい仕組みが法律に書かれています。

この記事は法令の規定を整理したものであり、金融商品・年金の助言ではありません。個別の手続き・手数料・期限は、加入していた企業型年金の運営管理機関または国民年金基金連合会にご確認ください。

6か月というタイマー

確定拠出年金法83条1項は、「その他の者の個人別管理資産の移換」という見出しのもとで、次のように定めています。

企業型年金の資産管理機関は、次に掲げる者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。 一 当該企業型年金の企業型年金加入者であった者であって、その個人別管理資産が当該企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月以内に第五十四条の四、第五十四条の五、第八十条若しくは第八十二条又は中小企業退職金共済法第三十一条の三の規定により移換されなかったもの(後略)

読み方はこうなります。

  • 数え始めは「資格を喪失した日が属する月の翌月」から
  • 期間は「六月以内
  • そのあいだに自分で移換の手続きをしないと、資産は「連合会」(国民年金基金連合会)へ移される

移換するものとする」という書き方なので、手続きをしない側の選択として自動的に進みます。退職日が月末か月初かで数え始めがずれる点も、実務では効いてきます(退職日そのものの選び方は 月末退職と月初退職はどちらが得? にまとめました)。

通知は来る:ただし住所が分かっていれば

自動で移されたあと、放っておかれるわけではありません。同条2項は次のように定めています。

当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等は、前項の規定により当該企業型記録関連運営管理機関等に係る者の個人別管理資産が連合会に移換されたときは、その旨を当該個人別管理資産が移換された者に通知しなければならない。

さらに3項には、通知が届かない場合の定めがあります。

当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等は、第一項の規定により個人別管理資産が移換された者の所在が明らかでないため前項の通知をすることができないときは、同項の通知に代えて、当該個人別管理資産が連合会に移換された旨を公告しなければならない。

「所在が明らかでない」場合は、個別の通知ではなく公告に切り替わるという条文です。転職や引っ越しが重なった時期に辞めると、通知が自分に届かないまま話が進む可能性がある、ということになります。

自分で選べる行き先

6か月のあいだに手続きをする場合、行き先は大きく次のようになります。条文で言えば、83条1項1号が挙げている80条・82条などの規定に基づく移換です。

退職後の状況 主な行き先
転職先に企業型DCがある 転職先の企業型年金へ移換
転職先に企業型DCがない/自営業・無職になる iDeCo(個人型年金)へ移換

どちらにするかは、転職先が決まっているかどうかでほぼ決まります。転職の段取りは 在職中に内定が出た後の段取り にまとめました。制度そのものの案内は、厚生労働省の確定拠出年金制度(2026-09-06 確認)に置かれています。

自動移換された場合に起きること(unverified)

自動移換された資産は、運用されない状態で置かれ、管理のための手数料がかかると一般に説明されています。ただし、手数料の金額や、自動移換された期間の扱いの詳細については、本記事の執筆時点で一次情報にあたって確認できていません(unverified)。 数字を示すことは避けます。実額は、国民年金基金連合会または移換先の運営管理機関へ直接ご確認ください。

条文から確実に言えるのは、自分で選べば行き先を決められ、選ばなければ連合会へ移されるという点までです。

退職前に手元に置いておくもの

  • 加入していた企業型年金の運営管理機関の名前と連絡先
  • 自分の加入者番号(記録関連運営管理機関から届く通知に書かれています)
  • 資格喪失日(=退職日の翌日になるのが通常)

退職時に受け取る書類の全体像は 退職時に受け取る書類の一覧 に、退職後の手続きを日付順に並べたい場合は 退職日の逆算カレンダー が使えます。

まとめ

  • 期限は「資格を喪失した日が属する月の翌月から6か月以内」(確定拠出年金法83条1項1号)
  • 手続きをしないと、資産は国民年金基金連合会へ移換される
  • 移換されたことは通知される(同条2項)が、所在が不明なら公告に切り替わる(同条3項)
  • 行き先は、転職先の企業型年金iDeCo
  • 自動移換後の手数料等の詳細は、本記事では未確認(unverified)。窓口へ確認を

退職の書類は最終出社日に集中しますが、この件だけは辞めたあとに動き出すタイマーです。カレンダーに6か月後の印を付けておくのが、いちばん確実だと思います。

出典(すべて 2026-09-06 に確認)

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