給付金サポートは怪しい?契約前の注意点
「退職したら給付金サポートに申し込めば、もらえる金額が増えるらしい」。こうした案内を見て、「給付金サポート 怪しい」と検索した方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、「給付金サポート」自体が一律に違法・詐欺というわけではありません。 ただし2025年12月、国民生活センターがこのテーマで注意喚起を公表しており、相談件数がここ数年で急増している事実 があります。
この記事は、特定の事業者を「怪しい」「危険」と断定するものではありません。制度・公的発表にもとづく一般的な注意点の整理です。個別の契約内容の是非は、消費生活センターや専門家にご確認ください。
「給付金サポート」とは何か
「給付金サポート」「退職コンシェルジュ」「社会保険給付金サポート」などと呼ばれるサービスは、退職後の失業給付(雇用保険の基本手当)の申請にあたって、受給額や受給期間が有利になるよう案内・支援することをうたうものです。退職代行サービスとセットで提供されるケースや、単独のサービスとして提供されるケースがあります。
こうしたサービスがすべて問題というわけではなく、制度の説明や書類の書き方のアドバイスなど、情報提供の範囲にとどまるものもあります。問題になりやすいのは、「受給額が増える」ことを強く打ち出す広告や、実際の受給要件を超えた案内をするケースです。ここから先は、国が実際にどのような注意喚起を出しているかを見ていきます。
国民生活センターが出した注意喚起(2025年12月3日)
独立行政法人国民生活センターは2025年12月3日、「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意−不正受給を促すかのようなケースも!−」と題する注意喚起を公表しました(国民生活センター、2026年8月確認)。
同センターによると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられた「失業保険の申請サポート」に関する相談件数は、次のように増加しています。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2021年度 | 42件 |
| 2022年度 | 54件 |
| 2023年度 | 113件 |
| 2024年度 | 217件 |
| 2025年度(10月31日まで) | 216件 |
2021年度の42件から2024年度の217件へと、5倍以上に増加しています。同センターが挙げる相談事例からみる問題点は、主に次の3点です。
- 広告や勧誘に、過度な期待や誤解を招く表現が用いられていることがある(申請サポートを依頼すれば受給額が増えると期待したが、実際には増えなかった)
- 契約後に解約を求めても、高額な違約金を請求されたり、解約を拒絶されることがある
- 不正受給を促すかのような申請サポートになっているケースがある(うつ病などのメンタルの不調がないにもかかわらず、指定のクリニックで受診するよう指示されるなど)
同センターは消費者へのアドバイスとして、「失業保険はあくまでも行政機関による審査で決定されるものであり、給付が保証されているわけではない」「事実ではない内容で申請すると不正受給となり、申請者本人が責任を問われる」ことを挙げ、事業者から事実と異なる内容での申請を勧められても応じないよう呼びかけています。
契約前に確認しておきたいこと
上記の注意喚起を踏まえると、給付金サポートを検討する際には、少なくとも次の3点を契約前に確認することをおすすめします。
① 料金は総額で開示されているか
基本料金だけでなく、追加費用・成功報酬・解約時の違約金の有無まで、契約前に総額で確認します。「解約を申し出たら高額な違約金を請求された」という相談事例を踏まえると、解約条件は特に丁寧に確認したいポイントです。
② 「本人申請」の原則から外れていないか
失業給付の申請は、離職票を持ってご本人がハローワークで行う公的な手続きです。書類の作成や提出手続きを他人の求めに応じて報酬を得て業として代行する行為は、社会保険労務士法上、社会保険労務士の独占業務とされています(社会保険労務士法第2条・第27条)。同法第27条に違反した場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になり得ます(同法第32条の2)。「書類はすべてこちらで作成・提出します」という案内がある場合は、対応している事業者・資格者がどのような立場かを確認しておくと安心です。
③ 不正受給を促す内容になっていないか
給付を増やすために事実と異なる内容で申請すると、不正受給として扱われ、責任を問われるのは申請者本人です。 雇用保険法第10条の4では、偽りその他不正の行為により給付を受けた場合、支給額の全部または一部の返還に加え、不正受給額の2倍以下の金額の納付を命じられることがあるとされています(雇用保険法第10条の4)。合わせると最大で受給額の3倍相当の負担になり得ます。悪質な場合は詐欺罪など刑事責任を問われる可能性も指摘されており、事業者から実態と異なる申請内容を勧められても応じないことが重要です。
自分で無料でできること
給付金サポートに頼らなくても、次のことはすべて無料で、ご自身とハローワークとの間で行えます。
- ハローワークで正確な見込み額を試算してもらう:受給額・受給期間は、加入期間や離職理由によって決まるもので、サポートの有無で変わるものではありません
- 求職活動の実績を積み重ねる:認定を受けるための求職活動実績は、自分で無理なく進められます
- 制度の基本を先に押さえておく:受給の条件は 失業給付の受給条件、金額の枠組みや落とし穴は 失業給付だけで生活できる?金額と落とし穴 で整理しています
- 退職後の他の手続きも合わせて確認しておく:健康保険・年金の手続きは 退職後の健康保険・年金の手続き、転職活動の進め方は 退職してから転職活動を始める段取り をご覧ください
契約に関して不安に思った場合やトラブルが生じた場合は、最寄りの消費生活センター等(消費者ホットライン188)に相談することもできます。
まとめ
- 「給付金サポート」自体が一律に違法というわけではないが、相談件数は2021年度の42件から2024年度の217件へと5倍以上に増えている(国民生活センター、2025年12月)
- 料金の総額・解約条件は、契約前に必ず確認する
- 失業給付の申請は本人がハローワークで行う公的な手続きで、書類作成・提出代行は社会保険労務士の独占業務とされている
- 不正受給になる内容での申請は、最大で受給額の3倍相当の納付を命じられる可能性があり、責任を負うのは申請者本人
- 正確な見込み額の試算や求職活動は、いずれも無料でハローワークとの間で完結する
退職代行の対応範囲やタイプ別の違いを比較したい場合は、サービス比較一覧 もあわせてご参考にしてください。
よくある質問
Q. 給付金サポートを使うと、本当に受給額が増えますか?
受給額・受給期間は、加入期間や離職理由などご自身の状況にもとづいてハローワークが決定するものです。国民生活センターも「行政機関による審査で決定されるものであり、給付が保証されているわけではない」と注意を呼びかけています。「サポートを使えば必ず増える」といった案内は鵜呑みにせず、正確な見込み額はハローワークで確認してください。
Q. どんな行為が不正受給に当たりますか?
実際にはない事実を申告して給付を受け取る行為は不正受給に当たります。国民生活センターの相談事例では、メンタルの不調がないのに指定のクリニックで受診するよう指示されたケースが紹介されています。発覚すると返還に加えて最大2倍相当の納付を命じられる可能性があり(合計で最大3倍相当)、責任を負うのは申請者本人です。事業者から勧められても応じないでください。
Q. 退職代行と給付金サポートはセットで使っても大丈夫ですか?
退職代行は退職の意思を会社に伝える、または運営元タイプによっては退職条件を交渉するサービスです。失業給付の申請自体は、退職代行を使ったかどうかにかかわらず、退職後にご本人がハローワークで行う手続きです。セットで利用する場合も、料金・解約条件・対応範囲を個別に確認することをおすすめします。
Q. 契約後にトラブルになったら、どこに相談すればいいですか?
契約に不安を感じた場合やトラブルが生じた場合は、最寄りの消費生活センター等に相談できます。消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。失業給付の手続き自体が不明な場合は、住居所を管轄するハローワークに問い合わせてください。
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