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介護職を辞めた後の次の仕事の探し方

「介護の仕事自体は嫌いじゃない。でも、あの職場ではもう働けない」。介護職を辞めた方から、こうした言葉をよく聞きます。辞めた理由が「介護という仕事」ではなく「その職場の体制」だった場合、次の選び方はまったく変わってきます。

介護職を辞めたあとの選択肢は、大きく3つしかありません。同じ介護で施設形態を変える/資格を活かして周辺分野へ移る/異業種に出る です。まず「何が辛かったのか」を切り分けたうえで、それぞれの選択肢を見ます。

この記事は一般的な情報の整理であり、特定の進路や事業者を推奨するものではありません。施設形態ごとの勤務条件は事業所によって大きく異なります。実際の労働条件は、必ず求人票と面接で個別にご確認ください。

まず「何が辛かったのか」を切り分ける

次を探す前に、辞めた理由を分解しておくと、同じ状況を選び直すことを避けやすくなります。

辛かったこと 変えるべきもの 有力な方向
夜勤の負担・生活リズム 勤務形態 日勤中心の施設形態へ
人員不足で常に手が回らない 人員体制 配置に余裕のある事業所へ
利用者・ご家族との距離の重さ 関わりの深さ 関わり方が異なる形態へ
給与水準 事業所・資格 資格取得と処遇改善の状況を見る
特定の人間関係 職場 同形態でも事業所を変える
介護そのものへの負担感 職種 周辺分野・異業種を検討

「介護そのものが合わない」のか「その職場が合わなかった」のかで、次の範囲が決まります。 ここを曖昧にしたまま同じ形態の求人を探すと、同じ理由で辞めることになりかねません。

なお、辞める手続きそのものは 介護職の退職代行の選び方 にまとめました。退職直後の手続きは 退職代行後の離職票・保険・年金の手続き順 をご覧ください。

選択肢① 同じ介護で、施設形態を変える

介護と一口に言っても、働き方は施設形態ごとに同じではありません。夜勤の有無・利用者との距離・業務の性質 で並べると、違いが見えます。

形態 夜勤 利用者との関わり 業務の性質
特別養護老人ホーム あり 長期・深い 生活全般の介助。身体介護の比重が大きい
介護老人保健施設 あり 中期 在宅復帰を目指すためリハビリ職との連携が多い
グループホーム あり 長期・深い 少人数。認知症ケアが中心
デイサービス 原則なし 日中のみ 送迎・レクリエーション・入浴介助
訪問介護 事業所により異なる 1対1 単独訪問。自分の裁量が比較的大きい
サービス付き高齢者向け住宅 施設により異なる 中期 自立度の高い入居者が多い傾向
有料老人ホーム あり 中期〜長期 施設の方針・価格帯で業務内容の差が大きい

夜勤の負担が理由なら、デイサービスや訪問介護が候補になりやすい 一方、これらは日中の稼働が密で、送迎や移動が加わります。「夜勤がない」だけで選ぶと別の負担に当たることがあるため、1日の流れを面接で具体的に聞く のが確実です。

人員不足が理由の場合は、求人票の記載だけでは判断がつきません。確認したい点としては、次のようなものがあります。

  • 直近1年の離職状況、募集の理由(欠員補充か増員か)
  • 1フロア・1ユニットあたりの職員数と、夜勤時の配置人数
  • 有給の消化状況、希望休の通り方
  • 記録業務の方法(紙か、記録システムか)と、それを行う時間が勤務内にあるか

選択肢② 資格を活かして周辺分野へ移る

介護の経験と資格は、高齢者介護の施設以外でも通用する範囲があります。

  • 障害福祉分野:生活介護、就労支援、障害者支援施設など。支援の考え方は異なりますが、身体介護の経験は活きます
  • 医療機関の看護補助:病棟での療養上の世話・環境整備など。医療職との連携が中心になります
  • 地域包括・相談系:一定の資格・実務経験が要件になる職種があります。ケアマネジャー(介護支援専門員)を目指す道もこの系統です
  • サービス提供責任者・管理職:現場から運営側へ。実務経験と資格の要件を満たす必要があります
  • 福祉用具・介護機器の関連職:現場経験が提案の説得力になる領域です

資格の要件は職種ごとに決まっており、実務経験の年数が問われるものも少なくありません。 介護福祉士や実務者研修を持っているかで開く扉が変わるため、自分が今どの資格・実務年数を満たしているかを先に棚卸ししておく と、探す範囲が絞れます。

選択肢③ 異業種に出る

介護そのものへの負担感が理由なら、異業種も現実的な選択です。介護の現場で身についているもののうち、他業種でも評価されやすいのは次のような点です。

  • 相手の状態を観察し、変化に気づく力
  • 記録を残す習慣(正確さ・継続性)
  • ご家族・多職種との調整経験
  • シフト制・不規則な勤務への対応力

ただし異業種への移行では、給与が一時的に下がる可能性を見込んでおく ほうが安全です。未経験からの職種転換では、それまでの経験が直接評価されにくい場面があります。空白期間を含めた段取りの組み方は 退職してから転職活動を始める段取り をご覧ください。

探し始める前に確認しておくこと

介護職から次へ移る場合、辞めた直後に確認しておくと後で困らない ことがいくつかあります。

  1. 離職票の受け取り:失業給付を申請するなら欠かせません。届かない場合の対処は 離職票がもらえない時 にまとめています
  2. 健康保険・年金の切り替え:期限のある手続きが含まれます。詳細は 退職後の健康保険・年金の手続き にまとめました
  3. 資格取得費用の返還の有無:初任者研修・実務者研修の費用を事業所が負担していた場合、取り決めの内容によって返還を求められることがあります。契約書の確認が先です
  4. 失業給付の見通し:離職理由によって支給開始の時期が変わります。詳しくは 失業給付の受給条件 をご確認ください

辞めた理由に対応する軸だけを変える

介護職を辞めたあとの次の探し方は、次のように整理できます。

  • まず 「介護そのもの」か「その職場の体制」か を切り分ける。ここで探す範囲が決まる
  • 職場の体制が理由なら 施設形態を変える のが最短。夜勤・人員体制・利用者との距離の3軸で比べる
  • 資格と実務年数が要件を満たすなら 周辺分野(障害福祉・医療補助・相談系・運営側) も選べる
  • 介護そのものへの負担感なら 異業種。ただし給与が一時的に下がる可能性は見込んでおく
  • 求人票では人員体制は分からない。夜勤時の配置人数・希望休の通り方・記録業務の時間 を面接で聞く

辞めた理由に対応する軸だけを変えれば、介護の経験を捨てずに次へ移ることは十分に可能です。

よくある質問

Q. 介護職を短期間で辞めた経歴は、次の選考で不利になりますか?

一律に不利と決まっているわけではありません。介護分野では人員不足を背景に採用に積極的な事業所も多く、退職理由を説明できれば問題にならないことが少なくありません。ただし同じ理由での短期離職が続いている場合は、次の職場で何を変えたいのかを整理して伝えられるようにしておくとよいでしょう。

Q. 夜勤なしを希望すると、収入はどのくらい変わりますか?

事業所によって差が大きく、一律の目安を示すことはできません。夜勤手当が月給に占める割合は事業所ごとに異なるため、求人票の「基本給」と「夜勤手当を含む想定月収」を分けて確認するのが確実です。日勤のみの形態では手当の構成そのものが違うこともあります。

Q. ブランクが空いても介護職に戻れますか?

介護分野は資格と実務経験が評価されやすく、ブランク後に復帰する人もめずらしくありません。ただし記録システムの変更や制度改正があるため、復帰時に研修の受講を求められることがあります。ブランクの長さによる扱いは事業所ごとに異なるため、面接で確認してください。

Q. 介護福祉士を持っていない場合、選択肢は狭くなりますか?

資格の有無で応募できる職種や配置に差が出る場面はあります。ただし無資格・初任者研修の段階で応募できる求人は少なくありません。働きながら実務者研修や介護福祉士を目指す道も一般的です。次の職場を選ぶ際に、資格取得の支援制度があるかを条件に加えるという考え方もあります。

退職後の給付金(失業給付)について

次の仕事を探すうえで「給付金がもらえるか」を気にする方も多いと思いますが、注意が必要です。失業給付(雇用保険の基本手当)の申請は、退職後にご本人がハローワークで行う手続きで、退職代行や第三者が代理申請することはできません。 受給の可否・金額・時期は、加入期間や離職理由などご自身の事情で変わります。

当サイトは制度の概要や考え方を情報として紹介するにとどめ、申請の代行や受給の保証は行いません。 具体的な対象可否や手続きは、ハローワークなどの公的機関や、社会保険労務士をはじめとする専門家にご確認ください。「給付金で実質無料」「必ずもらえる」といった断定的な案内には十分ご注意ください。

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