無期雇用派遣も退職代行を使える?有期雇用の派遣との違い
「派遣で働いているけど、自分は"無期雇用派遣"だと言われた。普通の派遣と何が違うんだろう」「契約期間が決まっていないなら、辞めるときも何か特別な手続きが必要なんじゃないか」。無期雇用派遣で働く方から、こうした疑問をよく聞きます。
結論から言うと、無期雇用派遣も退職代行を利用できます。 むしろ、派遣元との雇用契約が「期間の定めのない契約」である分、退職に関するルールの考え方は正社員に近く、有期雇用の派遣より見通しがつけやすい面もあります。
この記事は一般的な情報の整理であり、特定のサービスを推奨するものではありません。実際の対応範囲や条件、料金は各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。
無期雇用派遣とは何か
派遣という働き方は、大きく分けて次の2種類があります。
- 登録型派遣(有期雇用派遣):派遣先の仕事が決まるたびに、派遣元と期間の定めのある雇用契約(3か月ごとなど)を結ぶ形。仕事が終われば契約も終了し、次の仕事が決まるまで雇用関係がない期間が生じることもあります
- 常用型派遣(無期雇用派遣):派遣元とあらかじめ期間の定めのない雇用契約を結んでおり、派遣先の案件の有無にかかわらず、派遣元の社員として雇用が継続する形
「無期雇用派遣」という言葉のとおり、雇用契約そのものに終わりの期限が定められていないのが最大の特徴です。給与や社会保険は派遣元から継続して支払われ、派遣先の案件が切り替わっても雇用契約自体は続きます。
契約が「無期」だから、退職のルールは正社員と同じ考え方になる
ここが有期雇用の派遣と大きく違うポイントです。民法627条では、期間の定めのない雇用契約は、退職を申し入れてから原則2週間が経過すれば終了するとされています。無期雇用派遣は、派遣元との契約自体が「期間の定めのない契約」にあたるため、この原則がそのまま当てはまると一般的には理解されています。
一方、登録型派遣(有期雇用派遣)は、民法628条により、契約期間の途中で辞めるには原則として「やむを得ない事由」が必要とされています。この違いは、派遣社員も退職代行を使える?契約期間の注意点で整理した内容が前提にしている「有期雇用の派遣」には当てはまりますが、無期雇用派遣にはそのまま当てはまりません。
| 登録型派遣(有期雇用派遣) | 常用型派遣(無期雇用派遣) | |
|---|---|---|
| 派遣元との契約期間 | 定めあり(3か月ごとなど) | 定めなし |
| 適用される民法の条文 | 628条(やむを得ない事由が必要) | 627条(申し入れから原則2週間) |
| 途中で辞めるには | 原則「やむを得ない事由」が必要 | 特別な事由なく申し入れ可能 |
それでも「伝える相手」は派遣元であることは変わらない
契約の期間に違いがあっても、雇用主が「派遣先」ではなく「派遣元(派遣会社)」であることは、無期雇用派遣でも変わりません。 派遣先は指揮命令を受ける現場であり、雇用契約を結んでいるのは派遣元です。退職代行を使う場合も、業者が連絡する相手は原則として派遣元になります。
自分の契約が登録型か常用型か、期間の定めがあるかは、雇用契約書(就業条件明示書)で確認できます。「契約期間」の欄が「なし」「期間の定めなし」となっていれば無期雇用派遣にあたると考えられます。迷う場合は、退職代行に相談する前に派遣元の担当者や契約書で確認しておくとスムーズです。
運営元タイプはどう選ぶか
無期雇用派遣は、契約期間を理由にした「やむを得ない事由」を問われにくい分、退職を伝えるだけならシンプルに進められるケースが多くなります。 ただし、有給消化や退職日の調整で会社側と話がまとまらない場合は、交渉ができる窓口を選ぶ必要があります。
- 民間企業タイプ:退職の意思を伝える「伝達」に特化。交渉はできないため、争点が少なく、退職日の調整も不要なケース向きです
- 労働組合タイプ:団体交渉権にもとづき、退職日の調整・有給消化・未払い分の請求交渉を会社と行えます。無期雇用派遣で有給消化や退職日の調整が必要な場合、現実的な選択肢になりやすいタイプです
- 弁護士タイプ:代理権を持ち、交渉に加えて未払い賃金の請求や損害賠償への対応まで代理人として行えます。法的トラブルの懸念が具体的にある場合に向いています
3タイプの「できること・できないこと」の詳しい違いは運営元タイプの違いで解説しています。実際のタイプを横並びで見比べるならサービス比較一覧が便利です。
まとめ:契約が「無期」かどうかで、退職の進めやすさが変わる
無期雇用派遣も退職代行を利用できます。押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 無期雇用派遣(常用型派遣)は、派遣元との雇用契約自体に期間の定めがない。民法627条が適用され、申し入れから原則2週間で退職できると一般的には理解されている
- 一方、登録型派遣(有期雇用派遣)は契約期間が定められており、途中で辞めるには原則「やむを得ない事由」が必要
- 契約形態にかかわらず、雇用主は派遣先ではなく派遣元:退職の意思を伝える相手は派遣元になる
- 有給消化や退職日の調整で交渉が必要なら労働組合タイプ、法的トラブルの懸念が具体的なら弁護士タイプ、争点が少なければ民間企業タイプが候補になる
まず「自分の契約は登録型か常用型か、期間の定めがあるかないか」を雇用契約書で確認し、そのうえで交渉が必要かどうかを見極める。この順番なら、無期雇用派遣でも納得のいく形で区切りをつけやすくなります。
よくある質問
Q. 無期雇用派遣と正社員の退職ルールに違いはありますか?
雇用契約が「期間の定めのない契約」である点は共通しており、民法627条が適用される点も同じと一般的には理解されています。ただし、雇用主が派遣元(派遣会社)であり、実際に働く場所が派遣先である点は正社員と異なります。退職の意思を伝える相手は、雇用契約を結んでいる派遣元です。
Q. 自分が登録型派遣か無期雇用派遣か分かりません。どう確認すればいいですか?
雇用契約書(就業条件明示書)の「契約期間」欄を確認してください。「期間の定めなし」と記載されていれば無期雇用派遣(常用型派遣)、「◯年◯月◯日まで」など具体的な期間が記載されていれば登録型派遣(有期雇用派遣)にあたると考えられます。迷う場合は派遣元の担当者に確認するのが確実です。
Q. 無期雇用派遣で退職を伝えたら、その後の派遣先の紹介はどうなりますか?
雇用契約の終了と、個々の派遣先への配置は別の話です。退職(派遣元との雇用契約の終了)の意思を伝えたあと、退職日までの働き方や配置がどう扱われるかは派遣元の運用によって異なります。気になる場合は、退職を伝えるタイミングや退職までの働き方について、事前に確認しておくと安心です。
Q. 無期雇用派遣で有給休暇の消化を希望する場合、どのタイプの窓口を選べばいいですか?
有給消化は、退職日の調整とあわせて会社側との交渉が必要になる場面です。交渉ができるのは団体交渉権を持つ労働組合タイプか、代理権を持つ弁護士タイプで、伝達のみの民間企業タイプでは交渉はできません。
退職後の給付金(失業給付)について
無期雇用派遣で退職したあとの生活を考えるうえで、失業給付(雇用保険の基本手当)を気にする方もいます。失業給付の申請は、退職後にご本人がハローワークで行う手続きで、退職代行や第三者が代理申請することはできません。 受給の可否・金額・時期は、加入期間や離職理由などご自身の状況によって異なります。
当サイトは制度の概要や考え方を情報として紹介するにとどめ、申請の代行や受給の保証は行いません。 具体的な対象可否や手続きは、ハローワークなどの公的機関や、社会保険労務士をはじめとする専門家にご確認ください。「給付金で実質無料」「必ずもらえる」といった断定的な案内には十分ご注意ください。
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